母乳育児が推奨される中、母乳が出ずにミルクを選択したママは、少なからず劣等感や子どもに対して申し訳なさを感じているのではないでしょうか?
母乳育児を「完母」と言うのに対し完全ミルクを「完ミ」と呼び、完ミはママの中でもかなり少数派です。
私自身3人の子どもを完ミで育てましたが、つい完母育児と比べてしまうことが多くありました。
デメリットばかりが目につきますが、実はメリットもたくさんあります!
実際に完ミ育児をした3回した体験談から、完ミのメリットとデメリットを紹介します。
目次
完ミのメリット
母乳育児が推奨されているとはいえ、止むを得ず完ミになるママは多いのではないでしょうか?
母乳のよさを聞くたびに、完ミでいいのか悩んでしまうこともありますよね。
病気で薬を飲む必要があったり、仕事復帰のためだったり、完ミになる理由はいろいろあります。
私は完母を目指していましたが出が悪く、子どもの体重の増えが悪かったこともあり、混合から完ミになりました。
完ミになったことで悩みましたが、ミルクはミルクでたくさんのメリットがあるのに気づいてからは前向きにとらえています。
経験したからこそ感じた、完ミのメリットを5つ紹介します。
ママ以外でもミルクをあげられる
母乳はママしかあげることができませんが、ミルクなら誰でもあげることができます。
パパはもちろん、祖父母でも可能です!
実際私は、里帰り出産をしたとき父と母(赤ちゃんから見て祖父母)にミルクをお願いして、その間にお風呂や食事を取るなど、たくさん協力してもらいました。
また母乳育児だとママの睡眠時間が細切れになりやすいですが、ミルクならパパと分担することができます。
我が家では、仕事で帰りが遅いパパが夜中のミルクを担当し、早朝のミルクを私が担当していました。
片方に負担が偏らず、お互い5時間以上まとめて眠れるので体が楽!
下の表が、だいたいの夜のミルクスケジュールです。
ミルクをあげる時間 | ミルクをあげる人 |
19〜20時 | ママ(私) |
23〜24時 | パパ |
4〜5時 | ママ(私) |
お互いがしっかり赤ちゃんと関わるので、赤ちゃんのちょっとした変化にも気づきやすいし、成長の共感ポイントも多くなりますよ!
ママが薬を飲める
完ミでは、ママの体調不良のとき気にせず薬を飲めます。
母乳をあげているとどうしても飲める薬に制限が出ますが、完ミでは赤ちゃんへの影響の心配がないので制限はありません。
完母のママ友から聞いた苦労話です。
私自身出産前はあまり引かなかった風邪を産後はよく引いたり、胃腸炎になったりと薬に助けてもらうシーンが増えたので、薬の制限がなく助かりました。
子ども自身もずっとミルクなので、環境は変わりません。
赤ちゃんを預けやすい
完ミならママ以外でもあげられるので、パパや実家・義実家に赤ちゃんを預けやすいです。
- ママの体調不良で病院へ行く
- 上の子の体調不良で病院へ行く
- 美容院へ行く
- 友達の結婚式への参加
上記の理由で預けたことがありますが、赤ちゃんをお願いするシーンは案外少なくないですよね。
ミルクが飲めれば、低いハードルで赤ちゃんをお願いしやすくなります。
授乳の場所を選ばない
母乳の場合、外出先では授乳室や人目につかない場所であげる必要があります。
授乳室は増えてきていますが個室は限られていて、場合によっては待つかもしれません。
一方ミルクは、場所を選ばずあげることができます。
パパでも可能なので、周りに人がいても問題ありません。
例えば、ランチでファミレスやフードコートを利用しながらでもあげられますよ!
ママの食べ物や飲酒に制限がない
ママの食べた物が母乳になるので、食事に気をつけるシーンが多いのが完母。
私が出産した産婦人科でも、助産師さんから「母乳には和食中心の食事、甘いものはクリームよりあんこがいい」と教えてもらいました。
ミルクの場合、ママの食事制限がなくお酒も飲めるので、母乳より難しく考える必要はありません。
だからといって食べ過ぎ飲み過ぎは体に悪いですし、産後の体を早く元に戻すためには、食事に気をつけるのがおすすめです。
卒乳の苦労がほとんどない
母乳には必ず「卒乳」があります。
しかしおっぱいが大好きな赤ちゃんだと、離乳食が進み母乳の栄養が必要なくなっても卒乳が難しいかもしれません。
母乳のママが卒乳で苦労した話は、よく聞くのではないでしょうか。
私のママ友も、簡単に卒乳できた子は少数で、多くが大変だったと教えてくれました。
私の場合ですが、完ミの子ども3人全員、ミルクの卒業はまったく苦労がありませんでした。
徐々に回数を減らし、意識してから1ヵ月経たず、欲しがることもなくなりあっさり卒業。
リアルに完ミのママ友がいないので確率はわかりませんが、3人中3人苦労しなかったので、「完ミの卒業は苦労がほとんどない」と言えると思います。
完ミのデメリット
完ミのメリットを紹介しましたが、当然デメリットもあります。
しかし、知っていると心の準備ができるので、私が経験して感じたデメリットもしっかり紹介します。
お金がかかる
ミルクはどうしてもお金がかかり、経済面での負担があります。
完ミでは完母よりも月々5,000円の違いがあると聞きましたが、実際はもっとかかっていた印象です。
我が子が一番ミルクを飲んでいたのは5ヵ月〜7ヵ月のころですが、1週間で大缶800gを使い切っていました。
Amazonで調べると大缶800g×2が約3,500円で、1ヵ月4週間で約7,000円の計算です。
個人差もあるので、1万円以上かかる場合やそれ以下の場合もあるかもしれません。
とは言えたくさん飲むのは、生後半年くらいまでで、離乳食が始まるとミルクの量はだんだん減っていきます。
ミルクを少しでも安く買うには、Amazonプライムファミリーに加入するのがおすすめです。
定期購入にすれば、ミルクだけでなくおむつも安くなりますし、どちらも重いので宅配してもらえるととっても楽!
私がミルクをあげていたときAmazonプライムファミリーを知らなかったのですが、数年前から加入しておむつを安く購入しています。
定期的にミルクとおむつを使う時期は、Amazonファミリーで節約できますよ。
>>実際Amazonファミリーを使っている使用感の記事はこちら
お出かけの荷物が多い
完ミは本当に荷物が多く、重いです。
- 哺乳瓶(2本あると安心)
- 粉ミルク
- お湯(保温水筒に入れて)
- 湯冷ましの水
- ガーゼ
- タオル
予備があればあるだけ安心なので、荷物はどんどん増えていきます。
一方母乳なら大荷物は必要ありません。
もちろん母乳でも細々とした赤ちゃんグッズは必要ですが、ミルクで必要な哺乳瓶やお湯といった重い荷物はないので、ミルクに比べて圧倒的に荷物が少ないと言えます。
ミルク作りに時間がかかる
ミルクは母乳と違い、どうしても作る時間がかかります。
赤ちゃんが泣いてミルクを欲しがっているときに、ミルク作りで待たせるのはとても辛かったです。
小分けにされているパックや、手が空いているとき専用ケースに入れておくと、作るときの時間を短縮できます。
<<ミルクをできる限り早く作る方法を紹介した記事はこちら>>
消毒が手間
赤ちゃんは免疫力が弱いので、ミルクをあげた後、哺乳瓶や乳首は消毒が必要です。
特に夜の消毒作業は、眠くて辛かったことをよく覚えています。
消毒には
- 薬液消毒
- 煮沸消毒
- 電子レンジ消毒
以上の3つが代表的で、私ら電子レンジ消毒を7ヵ月くらいまでしていました。
ミルクの間隔を開ける必要がある
欲しいだけあげていい母乳に対し、ミルクは3時間あける必要があります。
とはいえ教科書通りにはいかず、赤ちゃんは1〜2時間で泣くことも少なくありません。
毎回決まった量を飲むわけではなくムラがあるので、どれくらい飲ませたらいいか毎日手探りでした。
対処法としては
- 前回飲んだ量によっては3時間経ってなくてもあげる
- 搾乳した母乳があれば飲ませる
- 白湯をあげる
- 1日の量で足りてるか多すぎるかチェック
などをしていました。
<<ミルクの間隔が3時間もたないときの対処法について詳しくはこちら>>
<<完ミのミルク間隔を月齢別に紹介した記事はこちら>>
寝かしつけが大変
ママ友の話しでは、寝室で部屋を暗くして母乳をあげれば、寝かしつけに苦労がなかったそうです。
ミルクの場合は、飲みきったらそれで終了なので、寝なかったらもうミルクは頼れません。
添い寝や抱っこするしかなく、完ミの寝かしつけが大変でした。
でも慣れれば寝てくれるようになるので、大変なのは最初だけでしたよ!
災害のときにミルクが手に入りにくい
近年日本では、地震や豪雨などの災害が多数起こり、避難を余儀なくされる場合があります。
テレビのニュースで、「大人の食事はあるが、赤ちゃんのミルクは手に入りにくい」との報道を目にした方も多いのではないでしょうか?
母乳であればミルクの心配はないのに、と不安に思う完ミママは多いですよね。
一方母乳のママも、避難生活のストレスで母乳のでが悪くない一時的にミルクにすることがあるので、完ミの赤ちゃんだけでなく、母乳の赤ちゃんにもミルクの備えは必要です。
災害用品のなかに、粉ミルクも備えておくと安心感が増しますよ!
また、メディアで取り上げられたのをきっかけに進んだのが、すぐに飲める液体ミルクです。
現在では明治・グリコ・雪印といった日本の大手メーカーから液体ミルクが販売されていて、賞味期限も長いので、ストックしておくのがおすすめですよ!
まとめ
完ミの育児では、ママが罪悪感や劣等感を持ちやすく、デメリットに目が行きがちです。
私のように完母に憧れながらも完ミになったママは多いと思いますし、内服の必要があって母乳をあげられないママもいますよね。
完ミにはデメリットもありますが、メリットもたくさんあります!
家族全員であげることができてママにばかり負担が行くことを防げますし、ママが病気のとき薬を飲むことも可能。
またミルクは栄養面でもかなり優れていて、母乳かミルクかで赤ちゃんの成長に差があることはほとんどありません。
ミルクをあげる期間は1年弱とあっという間です。
母乳以外でも、抱っこしたり話しかけたり、愛情をたくさん持って接することはできます。
実際完ミで育てた私の子どもたちはとても元気に育っているので、完ミであることを気にし過ぎる必要はまったくありませんよ!